poetic lyrics...................................
† przejscie podziemne †
These lyrics are entirely fictitious.....
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4・19 | |||||||||||||||||||||
-73- めりーごーあらうんど |
湿った街に 古びたサーカスがやってきた。 テントのわきにはメリーゴーアラウンド。 子供たちの声が響く。 眼の塗装が片方はげかけた白い馬を選んだ。 床は地面が見えそうなくらい隙間だらけの木がぎしぎしと鳴る。 ピエロの格好をした男がスイッチを入れゆっくりと回り始めた。 オルゴールとアコーディオンの音。。 しばらくして一人の少女がこちらをじっと見ているのに気づいた。 少女は湿った土の上に仁王立ちに立ち回っているメリーゴーランドを見上げるように凝視している。 カールした短いブロンドの髪。 少女の手には眼が半開きの首がもげそうな人形。 瞬きもせずただじっとこちらをみている。 半周してまた再び少女が・・・マタ半周・半周・・・フラッシュのように繰り返される。 流れている曲と回転がどんどん速くなりめまいを感じた途端すべてが溶けてなくなった。 少女も私も・・・人形も。 |
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-72- のうぜんかずら |
毎年梅雨の終わりになると眼にするオレンジ色の花。 ずっとソノ花の名前を知りたかった。 ずっとソノ花の名前を知らなかった。 のうぜんかずら 凌霄花。 聞きおぼえがある名前だった。 オレンジの花の色は温かみがあるというのに。 どこかしら突き放した冷たさを感じるのは。 あの中国から花に名づけられた来た漢字のせいだろうか? その大きな花は1日で終わりだという。 枝についているときと何も変わらないままの姿で。 アスファルトの上で咲く花の叫び声にも似たような音が聞こえたような気がした。 力強く。 凌霄花。 ある人の家にもあったこの花。 ある人が星になった今年の夏知った名前。 |
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-71- 冬の朝の夢 |
冬の朝が明けるのは遅く。 其れは当たり前のことながらひっそりとしまわれていた不安が時折心をざわつかせる。 ソノ暗い朝もそうだったのだろう。 車を運転している。 相当古いT社の車_____ハンドルが細くて大きくて。 アクセルを踏み込み目の前に広がったのは埠頭の向こうに見える海。 自分からそうしようとしたのでも何でもなく車が飛んでいるのを感じた。 何でこんなことをしているの?? 次の瞬間。 コレカラどうなるかソノ先が鮮明に頭に映る。 ソシテ今宙を飛んでいる間に窓を開けるべきなのか。 数分先に沈みゆく車の窓やドアにかかる水圧を考えていたところで目が覚めた。 古い車のはずなのに。 どうしてか窓はパワーウインドウだった。 窓からはもうすぐ明ける乾いた地上の冬の朝がそこまで来ていた。 ソコには海の水1滴足りと存在しなかった。 |
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-70- りんごの重み |
朝に起きた時には。 ワタシはいつも裸足で歩く。 いつでもスリッパを履いているのだけど。 朝1番だけは素足で床を歩く。 長年の習慣。 イツモのように裸足でスリスリと床をなでるように歩き。 傷が目立ってきたテーブルの上に1つ置かれているりんごに手を伸ばす。 2〜3度投げ上げてみる。 ワタシのココロと重なるコノ重み。 1くち齧る・・・・・淡い期待。 2くち齧る・・・・・はかない恋。 3くち齧る・・・・・うつろう愛。 4くち齧る・・・・手の届かないもの。 5くち齧る・・・・・憎しみ。 りんごがドンドン小さくなり。 最後には芯だけになった。 りんごの重みはワタシの愛______________。 芯だけになったりんごを遅い朝日が差す窓の光にかざしてみた。 |
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