poetic lyrics...................................
† przejscie podziemne †
These lyrics are entirely fictitious.....
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-34- 飲まれなかった コーヒー |
このコーヒーはワタシには 要らないと思った。 白いカップから立ち上る湯気が螺旋を描き。 よい香りがしてくるのに。 マシーンで抽出したことがよくわかる表面を覆う細かい泡を見つめる。 じっと見入っているあいだに視線が変わったことに気づく。 その表面にワタシ自身のの顔を見た。 そのコーヒーに映ったワタシの顔は。 危ないもろさを見せる中・・・。 ある強い意志を持とうとしているもう一つの顔があった。 必要なものとソウでないものを。 時には形を変えてやってくるものたちをうまく扱う器用さは持ち合わせていないけど。 このコーヒーはワタシには 要らない・・・飲んではいけないと思った。 |
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-33- 眠りの前の・・・ |
眠りにつく前のわずかな時間に。 ソノわずかな時間に1日のあったことを思い出さないにしても。 頭の中の記憶のヒダの節に引っかかっているのかもしれないと思ってみる。 記憶をたどらなくしても いいことであってもそうでないことであっても。 bedside tableから聴こえてくるあの曲と。 読みかけの本・・・bookmarkの端がランプの電気の影となる。 ソレが動いた気がしたのも今日あった何かのセイかもしれない。 目を閉じた後に真っ暗な脳裏に映る何かや。 あなたからの言葉の断片が。 重なり合って広がりゆく様。。 眠りにつく前のわずかな時間に。 深いグレー色した静寂の中フィクションなのかもしれないドラマが。 眠りの中へと意識の向こうに落ちてゆく。 |
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-32- 線から平面へと |
目の前の線を一瞬疑った。。 初めてソノ線をを眼にしたときには。 それが一瞬何を意味しているのかわからなかった。 三角形のb〜c地点のその冷たい直線。 間違った直線になるのだから。 引いてはいけないのに。 どうやらそれはワタシしか理解できていないようだ。 ソノ無神経さに苛立ちながらも何もできずにいる。 a〜b〜c......3点ではじめて成り立つ平面。 ソノ平面は本来なら成り立たないような不安定さ。 指でチョッと触れただけでずぶずぶと沼に落ちてゆく。 そう・・・落ちてゆけばいいんだ。 今夜もb地点は勝手に間違った線を引く。 |
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-31- 水の跡 |
なぜそこにいたのかは覚えていない。 独りフェリーの船尾に立ち進む船が受ける風に背を向けて立っていた。 髪の毛が顔の輪郭を覆うように目の前をうるさくなびく。 いつもなら唇のなかに髪の毛が入ることを嫌うのに。 まるでそれをも忘れてしまったかのように。 フェリーの進んでゆく跡が水面に1本の線を作るのを瞬きもしないで見つめる。 その水面に引きずり込まれてしまいそうな感覚を覚え。 思わず眼をぎゅっと閉じてみる。 なのにその真っ暗な世界にも水面が白い泡を立てながら冷淡に誘っている。 水が怖いわけではない。 そう思いながら。 遠くで自分の名前を呼ぶ声をかすかに聞いていた。 ソシテ風に背を向けていた体を180度向きを変える。 |
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-30- 窓 |
まだ朝日も差さない暗がりの高速道路をひた走る。 もしかすると朝が来るのではなく夜の闇に落ちてゆくのかもと。 そんなありもしないことをふと思って見たくなるほどに。 周りは闇に包まれていた。 ・・・と 夜が来てソシテ朝がくる当たり前なことが。 かえって不自然に思うこともあるんだと。 そんな空想をよそに東の空にわずかながら朝日がにじんでくる。 あっという間に日が昇る。 首都高速から窓の外に眼をやるとひしめき合うビルが陰湿な色を放っている。 そのビルには数え切れないほどの窓・窓・窓・・・ 窓の中にはそれぞれのドラマがあり それぞれの生活がある。 そう思うと陰湿な色の仕業かその窓の中の人間を思うと哀しくなった。 意味はない・・・。 バスは渋滞を抜け紅葉も終わりに近づいた木々の横を重たく走り去る。 |
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-29- #81 -4- cafeのあと・・・ |
彼女は不機嫌だった。 数分後 男が現れて彼女の向かい側の席に座る。 髪はボサボサ ひげも伸び放題・・・着ている服も髪やひげの延長だった。 そぐわない男性が彼女の前に座り 何かを話している。 イラついていた彼女もいつも間にか少し笑みを浮かべて。 男の口元に手をかざした。 次の瞬間・・・・彼女は席を立った。 彼女が横を通り過ぎていった。 なんの動揺もなく香りだけがかすかに残る。 しばらくしてあの地下鉄のコインロッカーに行ってみた。 #081の鍵が扉に刺さっている。 心臓が高鳴りその手は少し開いたままになっている扉を開けた。 無意味に空になったコインロッカーの空気をぐるぐると手でかき混ぜてみる。 その手に絡みついたのはついさっき彼女が横を通り過ぎて行ったときの香りだった。 |
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-28- 吸殻の香り |
昨日見た夕焼けは。 何かしら奇妙だった。 縞模様が幾重にも重なり赤とムラサキが入り混じった色を放っていた。 ココロのどこかに少しばかりの不安がよぎったけど。 今日もいつもと変わらない時間を刻み。 こうして後数時間で終わろうとしている。 読まなくてはならない書類が机の上に乱雑に置かれているのを。 横目で見ながらタバコを探し指で中を探る。 あ・・・空っぽだ。 仕方なく一杯になった灰皿から吸殻を取り出し火をつける。 頭の中が一瞬透明になった気がした。 ソシテあのヒトの横顔と あの番号が脳裏を掠めた。 タバコの香りとともに どこかでかいだことのある香りを覚えた。 |
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-27- jamと猫 |
ブラックカラントのジャムはほかのベリーのジャムと違う。 ほんのり酸味と渋みがあるこのジャムが大好き。 今日の朝食にはこれがなかった。 当然あるものがここにないとどこかしら不安になる。 あの店にいかなくては・・・。 デモあの店には苦手な猫がいてね・・・。 彼はすごい目つきでこちらを見るので。 思わず視線をそらしてしまうわけ。 たかが猫・・・なんだといえばソレまでだけど。 彼はこちらの心の奥底までを。 見抜いているような気がしてならない。 キット今日もあの眼で見られるんだとおもい。 ワタシはココロの中で頭を横に振った。 ジャムを買いにゆかなくては・・・。 |
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-26- 冷たい雨 |
今日は 雨が降ってほしくなかった日。 デモそんな小さな願望をよそに。 意地悪な空は雨を降らした。 冷たい雨の日だった。 雨によってフラッシュバックされてくるシーンが。 脳裏を掠める。 車のワイパーの音と音楽を聴きながら。 フロントガラスについた雨粒を通して。 輪郭のぼやけた信号機を見つめる。 本を読み進んではいるのだけれど。 意味もわからないままページの数だけ空虚さを重ねてゆく。 知りもしないくせに・・・。 |
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-25- 芝刈り機 |
窓の外から聞こえてくる芝刈り機の音で眼が覚めた遅い週末の朝。 夏が来ると週末の朝はコノ音がどこからともなく聞こえてくる。 朝早くコノ音がしても文句を言うものは誰もいない。 何か音楽が聴きたくてbed sideの引き出しを探っていると。 何年も前に作ったmix-cdを見つけた。 be miles away..... マジックで乱雑に書かれたソノタイトルに。 新鮮さと懐かしさを感じながら。 音を聴く前から 今日はこれをずっと聴こうと思ったりする。 めずらしく濃いカフェオレ。 トースターがパンの焼けた音を知らせたけど。 あの芝刈りの青年のことを想いながら。 もう少し焼くことにして再びスイッチを回した。 |
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-24- 赤い嘘 |
"嘘はほんのりと赤い。" ・・・と あの人は言った。 色のない世界に ソコダケが赤くワタシに向かってくる。 心臓が静かに でも低く速く鼓動を打つのをのど元で感じていた。 鮮烈に心を貫くソノ色に。 どのような視線を投げかけたらいいのか一瞬と惑う。 冷静さを装いながら。 冷めたコーヒーを一口飲んでみて後悔する。 目の前にある氷の解けたグラスに手を伸ばしかけたのだけど。 やめることにした。 そのワタシの手の上にそっと重ねられた手が。 "つまらない真実よりも 心揺さぶる虚構が欲しい・・・。" ・・・と 言葉を足した。 |