poetic lyrics...................................
przejscie podziemne
These lyrics are entirely fictitious.....
  


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-23-

black stone



黒い石。
見つめる黒い石のソノ光に空気が低く漂っている。

身じろぎもしないソノ黒い石だけがありとあらゆる存在感をワタシにぶつけてくる。
見つめれば見つめるほど自分をなくしてゆきそうな軽いめまいを覚えていた。

繊細すぎれば闇が命を脅かすゆえ。
生きてゆけないというのなら。
いっそ 黒い石になってしまえばイイのだろうか。


『ねぇ・・・黒い石になってしまいたいと思ったことはない?』

『・・・ないよ。』


あのヒトなら ナンテ答えてくれるかと。
ソノ言葉を探している自分がいた。






-22-

autumn leaves



美術館のある公園が。
落ち葉でいっぱいになる季節に。

わけもなく ただ落ち葉がたくさんある場所を選んで。
わざと音を立てて歩いてみる。
夕方の少し冷えた空気が心地よい。

American pop artを観に来たとき。
そういえばあなたと文字で話をしていたっけ。
異国へゆくワタシのことを気にかけて・・・。

いつのまにか 通りを急ぐ車のライトが少しずつつき始めた。

現実の時間に戻って歩いていかなくては。
・・・と どこか寂しく思いながら足早に歩き始めた。







-21-

つく傷
つかない傷



『傷つくならばそれは愛ではない』



・・・・と言った。

それが嘘でなくホントであったとしても。
いまでもそうは思っていない自分がいる。

薄暗い部屋の中に一冊の本。
独特のにおいを感じながらpageをぱらぱらとめくっただけで。
中身を読まずに ポン っと一瞬弾んだ空気が頬に触れて。
ワタシは 本を閉じる。


『傷つかない心なんて心とは呼べない』


そうだと思った。

沈んだ気持ちを受け止める方法を。
知ってゆく途中。。







-20-

雨になる確率





天気予報が明日の天気を淡々と告げている。

「どうせ 雨になるよ。」

アナウンサーは ハッキリ "晴れ" と。

苦味を増した冷え切ったコーヒーと。
あの銘柄のタバコの空箱。
おそらく開けられることのないDMが乱雑に散らばっている。

それらスベテが置かれた腕時計の秒針とともに時を刻んでいる。

ワタシとこうして出逢ったと同じ確率で。
きっと明日は雨になるんだろうと。

晴れのマークを映し出すブラウン管を横目で見ながら。
思っている。


キット ひどい土砂降りの通り雨になるって。






-19-

#081 -3-
street light



雨がやんだ。

高架になっている鉄道のトンネルを抜けた左側には。
今にもソノ蛍光灯が切れそうな。
眼にイラつく青白い光をはなっている。

湿った空気と 濡れた路面が奇妙に光る。

青白い光の下に ヒトリの女性。
アノ地下鉄の駅で見たトレンチコートを着た女性が。
ポケットに手を突っ込んで路面を見つめて立っている。

sunglassesははずしたのだろうか。

ソシテ。
#081の鍵は ソノポケットに突っ込まれた手の中に握られているのだろうか。

闇の静寂の中を土足でココロの中を踏みつけるかのように。
一台の車が通り過ぎる。

ソノ車のライトが 彼女のうつむき下限の横顔を一瞬テラした。






-18-
.
yellow letters
blue lines




ソノ 心に突き刺さる 黄色の文字と 青い線は ダイキライ。

そのことをイチバン知っていながらも。
イツモこの瞬間でも 眼にしていなければならないという。
ソンナジレンマに。

自分はコレでいいのかと聴いてみる。
薄明るい白熱灯の真ん中を眺めながら。
動物的な部分を押し殺し。
そっと息を潜めてみる。

ソンナ風にことを繰り返しても。
変わらずそこに存在する 黄色の文字 と 青い線。

ココロのざわめきや痛みで。
存在を知る。






-17-

lost




ソノ電話は相手の名前を聞いたときから。
ナゼかソノ先がわかっていたような気がする。

予期せぬソノ知らせに愕然としながらも。
冷静な部分をも感じ それに軽い苛立ちと不安を抱えていたような気がする。

過去のシーンが脳裏をよぎり。
1枚の微笑みかけた写真がよみがえる。

かさかさと時は過ぎ。
遠くにいるままで失ってしまったモノに。

今如何したらいいのかがわからない・・・・。

言葉を失った人形は涙も出ないのかとココロの中で叫んでみても。
もう・・・届きはしない。






-16-

ink



blue_blackのインクのビンを。
机の上についた手の上に顔を横に寝かせて載せながら眺める。

小さいころからの憧れのink。
触っていはいけないと幼心に思いながらも。
気になって気になって仕方なかったビンが今。

自由な形で目の前にある。

アノ人にコレで手紙を書いてみようか。
ソレトモ・・・tissueの角にinkを染み込ませてソノ色が移りあがってくるのを見つめようか。

ソンナコトを考えているうちに冬がやってくる。
ナニも変わらないでいる自分を知ることになる冬が。






-15-

cigarettes




タバコは吸わない。

タバコの匂いが髪につく。
無造作に机の上に投げ出されたタバコ___ひと箱。
へちゃげたその箱と銘柄から。
どんな人が忘れていったものかをチョッと想像してみる。

タバコを出すときに丁寧に銀紙をむき。
人差し指でポンって1本目を出すヒトは嫌いだ。

ドコまでも乱雑であってほしい。
ドコまでも疲れていてほしい。

ナゼだか思う。

アノ銘柄のタバコを吸う人に惹かれる。
そのタバコの箱を眼にするたびその手の先にある顔を見上げてしまう。

タバコはすわないけど。






-14-

#018    -2-
東急東横線



東急東横線////。


sivlerに赤の太いラインが生暖かい風とともに。
ホームに滑り込む。

すべての人やものがぶれた写真のように
流れ動いている。

ただヒトツの例外を除いては。

ホームを背にして立っている一人の女性。
ベージュのコートを着て黒いサングラス。

彼女だけが止まっている。
輪郭もはっきりと。
白い肌にサングラスのクロが浮かび上がる。

彼女のコートのすそをまとわり着く生暖かい風でさえぶれているというのに。
彼女自身はなんのブレもなく。

赤いラインを背景に痛いほどくっきりと。
その手には #018の鍵が握られていた。






-13-.




眼に見えない糸は。
時折ワタシを混乱させる。

身動きも取れないほどに絡まってはいないのだけれど。
時折ワタシを混乱させる。

引きちぎってしまいたい衝動に駆られる糸もあれば。
「どうか切れてしまわないで・・・」 と願う糸もある。

眼に見えないからこそ。
自分の外側の世界で誰かが操っているかのようにも思えるのだけど。

もしかするとドコカで手繰り寄せて。
もしかするとドコカで繋がっているのかもしれないと。

冷たい空気を無造作に掻き分けてみる。


ソコニは・・・ まるでウォン・カーウァイのアノ視線が見えてくるような。
奇妙な衝動に駆られる。